Monday, September 28, 2009

It's Not Luck ザ・ゴール2 思考プロセス

先程紹介した「ザ・ゴール」の続編である。


It's Not Luck ザ・ゴール2 思考プロセス
エリヤフ・ゴールドラット著 三本木 亮訳
ダイヤモンド社


今度は、マネジメントの側面から述べられている。
なんとも素晴らしい。その一言である。
まだ、このシリーズは続いている。このまま勢いで読んでしまうかもしれない。

The Goal ザ・ゴール

かなり久し振りの投稿。
ソーシャル・ビジネスなどに関係する本を読み漁っていた。仕事や学校も重なり、かなり読んだけどブログアップが追いつかなかった。コメントはあまり書けないかもしれないが、まとめてアップすることにする。

さて、今回のは以前に学校の先生から薦められていた本である。すごく分厚くて読むのを躊躇していたが、やっと読むことができた。

ザ・ゴール -企業の究極の目的とは何か-
エリヤフ・ゴールドラット著 三本木 亮訳 稲垣 公夫解説
ダイヤモンド社


分厚いのに、小説調で書かれているので(それもよくありそうな場面を想定して)非常に読みやすかった。500ページ程あるのをおそらくトータル1日もかかっていないと思われる。非常にわかりやすい、いや、、正直なところを言うと、少し経理や生産に関する知識が乏しいため(数字・計算も苦手)、もう1,2度読んでみて分からない言葉を理解してからそう言えるかもしれない。ただ、解決していく段階は非常に分かりやすく書かれていた。出版されたのは2001年なので、今もこのモデルが一番良いといい切れるかどうかは疑問である。他にも新しいモデルが出てきているかもしれない。基本的なモデルは普遍だとも思う。非常にお勧めの一冊である。

Thursday, August 27, 2009

人はなぜ恋に落ちるのか?

たまたま読んだ日経コンピュータでとりあげられていたアメリカの人類学者が書いた本である。
恋愛についてずっと研究しているとのことで、一体どんな研究をしているのか非常に興味がわいた。

人はなぜ恋に落ちるのか?Why We Love?
ヘレン・フィッシャー 著 大野晶子 訳
ソニー・マガジンズ


人はなぜ恋に落ちるのか、それをずっと研究してきたヘレン博士が今までの研究結果をまとめた内容である。恋に落ちた人々からの調査情報や脳スキャンなどの科学的結果、また動物や過去の歴史など様々な観点で、人間の恋について述べている。

正直、人間の恋というものを科学的に調査し結果を述べていることに関しては、私はすんなりと受け入れられないものを感じた。恋している人達の脳をスキャンして、ドーパミン量などの発見があったところでどうなん?と考えるからである。今後、ドーパミンの量でその人が本当に恋に落ちているかどうかを図るようになるのだろうか。。。
恋の感情は人によって異なるものだし、それが不思議でありながらも面白いものだと私は思う。調査して、標準はどうこうとかはあまり関係ない、気にしない方がいいのではないかと思う。ただ、この本の中でいくらか非常に興味深い調査結果もあった。私が印象に残った話をいくつかあげてみる。
①ウエスト:ヒップ=7:10 女性のウエストとヒップは遺伝的な要素が大きいが、排卵期になるとウエストはより70%に近づくという。これは、この割合が一番赤ん坊を身ごもる可能性が高いからとう説がある。
②男性は、左右対称なものに魅力を感じる。肉体的な左右対称である。実は、これは人間も昆虫も同じである。
③女性は、排卵期は優秀な遺伝子を持つ男性に惹かれて、ほかの時期は献身的な男性を求めるという。それは、やはり優秀な子孫を残し、そして育てていくという役割を本能的に果たそうとしている結果である。
やはり、人間(女性)も、子孫を残すという本能的な影響をどこかで少なからず受けているというのは、非常に面白くないだろうか。

Saturday, August 15, 2009

沈まぬ太陽 -御巣鷹山篇-

沈まぬ太陽の第三篇。
今回から舞台は日本に移る。そして、問題の御巣鷹山での日航機(小説では国民航空)墜落事故の話へ。

十年に及ぶ海外僻地への左遷に耐え、本社へ復帰する主人公の恩地。せっかく本社に復帰したものの、仕事はほとんど与えられない窓際社員。変わらず非常に辛い日々が続く。そんな中、ついに航空史上最大のジャンボ機墜落事故、犠牲者は五百二十名が起きる。壮絶な遺体の検視、事故原因の究明、非常な補償交渉。恩地もまた、救援隊として現地に赴き、遺族係を命ぜられ、想像を絶する悲劇を目にする。

実際に事故が起きたときのことを、私はうっすらと覚えている。TVで放映されていた小学生くらいの女の子がヘリコプターで引き上げられている様子が目に浮かぶ。それ以上の詳しいことはあまり覚えていない。今回、この本を読みながら、事故が起きたときの様子、そしてその後の遺族、関係者達の苦悩を少しでも感じることができた。とは言え、決してそれはほんの一部であると思うが。実際の苦悩は、やはり実際に体験してみた人でなければ分からないだろう。
この本は、涙なしでは読めない。私は、駅で、電車の中で、公園で。時間があればどこでもこの本を読んでいたのだが、涙流しながら読んでいる私を、周囲の人たちは不思議そうな目で見ていた。

Thursday, August 13, 2009

ジェネラル・ルージュの凱旋

「チーム・バチスタの栄光」「ナイチンゲールの沈黙」と続いて第三作目。映画化もされた。映画はまだ観ていないけれど、その前に小説を読んでおこうと買った本である。

ジェネラル・ルージュの凱旋
海堂尊 著
宝島社


「ナイチンゲールの沈黙」で登場してきた伝説の歌姫が東城大学医学部付属病院に緊急入院した頃、不定愁訴外来担当の田口の元に匿名の告発文書が届く。同期である救命救急センター部長の速水晃一が特定業者と癒着しているという。高階病院長から依頼を受けた田口は調査に乗り出す。

「ナイチンゲールの沈黙」でも話をしたけれど、やはり「チーム・バチスタの栄光」のときのようなドキドキ感はない。ミステリー大賞受賞とは書かれているけれど、決して殺人が起こってその謎を解き明かすようなものではない。今回は、病院における賄賂問題の真意を問う中で、病院における内部の問題を明らかにしている。
私の期待しているミステリーとは少々異なるが、やはり医療現場のリアリティあるれる描写と、その現場で働く人々の様々な葛藤が見れるところが非常に面白い。そういう意味で、私は彼の小説が好きである。
大好きな竹内結子が主演している映画も是非観てみないと。



Monday, August 10, 2009

沈まぬ太陽 -アフリカ編-

山崎豊子さんの本は「大地の子」を読んで以来。「大地の子」では、綿密な調査の基に書き上げられた社会的問題を題材にしたストーリーに涙をするばかりだった。
今回たまたま本屋で彼女の本を見つけて、かつ”アフリカ”を舞台にしているということに非常に惹かれてしまった。更に少しあらすじを読んでみると、今回は日航機墜落事故の話を題材にしているという。長編ではあるけれども、これはもう読むしかない。

沈まぬ太陽 -アフリカ編-
山崎豊子 著
新潮文庫


国民航空社員である恩地元。会社に忠実に働こうとしする彼は、突然組合の委員長に抜擢され、組合員の労働環境改善のために組合活動に熱心に取り組む。しかし、その活動が役員に対してやりすぎたために、中近東、そしてアフリカへと内規を無視した転勤を命じられる。彼が海外転勤を命じられるようになった背景と、僻地での彼自身の葛藤をこのアフリカ編では述べられている。

日航機墜落事故とどう関係があるのだろううか、、と少々思いつつも、現実にありそうな話であるために、この主人公 恩地元の気持ちは如何ほどだろうかと考えながらどんどんと話が読み進んだ。私自身、恩地のような経験はない。そして、仕事において政治がからんでいるのを直接感じる立場でもなかった。しかし、そのようなことは往々にしてあり得ることであり、あってきたことであろう。それに対して、正面から向かっていた恩地の強さに感銘を覚える。僻地へ勤務になって家族に苦労をかけても、10年経っても、自分を信頼してくれる組合員のためを思って、決してその意思を変えることのない彼の姿は、本当に素晴らしい。

どうやら秋に「沈まぬ太陽」の映画が上映されるらしい。知らなかった。なんともタイミングよく小説を読んでいたようだ。



Sunday, August 2, 2009

ナイチンゲールの沈黙

「チームバチスタの栄光」を書いた海堂尊の二作目。時間に余裕ができるまでっとずっと我慢してたけど、どうしても待ち切れず、中古本屋で買ってしまって読んじゃいました。

今回の舞台は、大学病院の小児科病棟。そこに入院しているレティノブラストーマ(網膜芽腫:眼の癌)を患っている端人の父親が殺される。自宅で内臓を取り出され、部屋の隅に置かれるというまるで何かの儀式のような形で。生前の彼の父親は、失業中で借金に追われ、常に飲んだくれているというひどい父親。息子の命があぶないというのに、一度も病院に来ず。息子からも憎まれていた。一体誰かなんの理由で殺したのか。この事件解決のために、「チームバチスタの栄光」で出てきた田口医師と厚生省官僚の白鳥コンビが活躍する。

面白い。「チームバチスタの栄光」の推理していくときのドキドキ感みたいなものには欠ける。でも、登場する人達の人生の裏側やら感情が反映されてあり、少し複雑で理解に難しい描写とかあるが、つい話に入ってしまう。彼の作品は、今回の夏休みに読んでしまう予定です。



Saturday, July 25, 2009

IT革命と商社の未来像-eマーケットプレースへの挑戦-

eマーケットプレイスについて調べている中で、この本を発見。ついつい読み入ってしまった一冊です。

IT革命と商社の未来像-eマーケットプレースへの挑戦-
中谷巌 著
東洋経済新報社


現在のIT、特にインターネットの普及に伴い、商社もまた変貌を見せている。
従来から「中抜き」の危機を何度も脱してきた商社。eマーケットプレースの登場により、またその危機が叫ばれている。商社はどうやってこれを乗り切ればよいのか。この危機をチャンスに変えるためにどうすればよいのか。商社のITへの取り組み事例をあげながら述べている。

私は、今まで商社がなぜ存在しているのか、その存在価値を考えたことがなかった。就職先としてやはり人気のある商社。なんで!?と常に感じてきたのが正直なところである。商社の持つ役割としては、物流、資金決済、情報収集、信用力が考えられる。私は、IT革命をしても補い切れない信用力の部分が商社の持つ強みではないかと思う。実際、大手商社がeマーケットプレースを立ち上げて失敗しているケースを見受けるが、それはただ単純に顧客志向の充分な戦略を練り切れてなかったからで、もっと強みを発揮できるチャンスは残っているのではないかと思う。
ちなみに、メーカー商社に勤務していた友達は、資金の回収力であるとゆっていた。特に、日本の企業が海外の企業と取引する際は、その力が大きく発揮されると。

私に、新たな視野を広げてくれた一冊だった。

Friday, July 17, 2009

IT立国エストニア

以前、何かの記事で見たことがある。名前もあまり聞いたことのないヨーロッパの小国がIT先進国の一つになっていると。最近、色々と調べてる中で、見つけた。これの国だ。「エストニア」興味が勝ってしまって、他にも読まないといけない本があるのに、ついつい読んでしまった(笑)

IT立国エストニア -バルトの新しい風-
前田陽二/内田道久 著
慧文社


北欧バルトの小国「エストニア」1991年に旧ソ連から再独立して以来、政策としてIT推進に力を入れ、ITの相互運用性、共通基盤の整備を進めてきた。現在、ほとんどの国民がエストニアIDカード(eIDカード)を所持し、世界に先駆けて国政選挙をインターネット投票で行うなどしている。

正直、驚いた。日本もIT先進国の一つと言われているが(特にインフラ基盤では)、エストニアではインフラ基盤だけでなく、その利活用が日本よりかなり進んでいるよに思う。特に電子政府がすばらしい。これは、何よりITを導入する当初からインフラと合わせて、その利活用できるシステムまでも考えて構築されていたからであろう。私は、基本的に政府はあまり当てにならないので、民間企業の力が大事だと考えていたが、ここまで政府が率先して推進するとこうまでにも違うものなんだなと感じられた。国民のほとんどがIDカードを持ち、それでもって行政の申請はすべて行えるし、公共施設や交通機関の利用も可能らしい。図書館などの公共施設で最初1時間は無料でインターネットが使えるので、幅広い年齢層の人たちがインターネットを利用している。政府と民間企業との間でもITを利活用されている(企業の行政的な手続きなど)。
この本からネットショッピングなどの利用者はまだ少ないように思うので、ビジネスとしてこれからまだまだIT分野で成長する可能性がある国だと思う。

Wednesday, July 15, 2009

「通信と放送の融合」のこれから

以前、講義の中で先生がすすめていた本。
一時的に少しだけ余裕ができ、図書館に行った際に目にとまったので読んでみることにした。

「通信と放送の融合」のこれから
中村伊知哉著
翔泳社


近年、日本のアニメやマンガ、ゲームなど大量のコンテンツが海外に紹介され、「ソフトパワー」としてポップカルチャーが急速に注目を集めている。21世紀に入ってからそのような流れを受け、さまざまな省庁がコンテンツ産業の振興・育成に力を入れ始めている。ところが、現在の社会システムではコンテンツに流通のインフラとなる放送や通信の権利が複雑に絡み合い、法律で守られているためオンラインでのスムーズな流通につなげることはできない。それを解消するために、「通信と放送の融合」を行う必要がある。本書では「通信と放送の融合」の状況をわかりやすく説明し、2011年地上デジタル放送網完成までの国会通貨を目指す「情報通信法」の全貌を紹介するとともに、日本発のコンテンツが勝ち抜くためには何が必要なのか、クリエイターを育成するためには何をすべきかなどコンテンツ産業の未来についても同時に考える。

全体的に、日本はe-Japan戦略の元インフラとしてはトップクラスになったが、ソフトやサービスは遅れをとった。コンテンツに関してもそう。しかし、日本のポップカルチャーをして、この技術をして更に踊りでることはできる。本の入りは非常に読みやすかった。筆者自身の身近な体験からデジタルへと以降していった歴史が、そして日本のポップカルチャーがどれだけ浸透しているかが述べられている。

個人的に面白かったのは、本書の意義から外れるかもしれないがイタリアで「風雲たけし城」が人気であったという事実。日本のカルチャーはどこでもなんだなと感じた。「おしん」もどこでも全世界で放映されているし、たしかにポケモンに代表されるようにアニメはかなり人気。これらか通信と融合すれば、きっとすごい市場になりえるのではないかと思われる。

Friday, June 26, 2009

なぜ誰もネットで買わなくなるのか

e-businessの問題点について調べるために、失敗事例を調べてみようと考え、探し出した本。
ネットバブル時の話が多いが、なかなか面白い。おすすめである。


なぜ誰もネットで買わなくなるのか -米国eビジネスの失敗に学ぶ-
ロジャー・D・ブラック・ウィル クリスティーナ・ステファン 著
島田洋介 訳
ダイヤモンド社


ネットバブルの際には、数多くの企業がインターネット販売に挑戦しようとして失敗した。その米国での失敗談を数多くあげながら、その問題点とそしてeビジネスを成功に導くキーワードを述べている。

この本を読む中で、eビジネスに大事なことは、顧客満足・収益確保・ブランディングなど、経営における基本的な事項ではないかと考えられる。eビジネスだと、立ち上げのための費用(店舗など)は削減できるからと安易に考えてしまいがちである。確かにそれはそうなのだが、その考えだけに、顧客のニーズを把握することや、収益を確保できる構造にしておかないと、すぐに失敗してしまう。立ち上げることは簡単でも、それを続けていくこと、そして成功に導くことは決して簡単ではないということが感じられた。

なぜ誰もネットで買わなくなるのか―米国eビジネスの失敗に学ぶ

Tuesday, June 23, 2009

チームバチスタの栄光

初めてこの映画を見たのが、もう2年くらい前になるだろうか。あまり興味はなかったのだが友達に誘われて見たら、その虜となってしまった。それ以降、ずっと小説を読みたい読みたいと思い続け、やっと手にした。

チームバチスタの栄光
海堂 尊 著
宝島社文庫

東城大学医学部付属病院の「チーム・バチスタ」は心臓移植の代替手術であるバチスタ手術専門の天才外科チーム。ところが原因不明の連続術中死が発生し、万年講師で不定愁訴外来の田口医師に内部調査始める。更に、厚生労働省の変人役人白鳥により、思わぬ展開に。

面白い!!その一言につきる。
元々、推理小説は大好きなのだが、さすがに現役医師が書いただけあって、手術の様子などのリアルな医療現場の様子がすばらしい。実際は知らないが、すごく引き込まれていく。
彼の作品を読み干してしまう勢いだ。。。(笑)




Monday, June 8, 2009

ウェアラブル・コンピュータとは何か

これは、単純に非常に面白い技術だと感じた本である。

ウェアラブル・コンピュータとは何か
板生清著
日本放送出版協会


コンピュータが小型化し、携帯電話など持ち歩くタイプのコンピュータが出現し、人間に寄り添うコンピュータが出現。そして、現在はキーボードなどのインターフェイスが不要となる
ことで、人間との距離が更に近づいている。今後は、究極の「着るコンピュータ」から「着る機械」への転化するであろうということで「ウェアラブルファッション」が紹介されている。

この「ウェアラブルファッション」が私の目を引いた。まずは、「パワードスーツ」と呼ばれる装着型のスーツ。「ロボットスーツ」や「マッスルスーツ」などと呼ばれることも。これを付けることにより、自分の力が倍増。自分の体に負担をかけることなく、動いたり重いものをもったりすることができる。これは介護分野で応用がきく。ただ、見た目はかなり重装備で、まだ日常的に使い物になるとは思われないが。
そしてきました「ウェアラブルファッション」。ITと衣服を一体化しているもので、プレイヤーや携帯電話が内臓されたジャケット。「着るディスプレイ」といわれ、衣服に様々な模様や動画を表示できるもの。消防士や現場作業員の安全確認用、企業の広告用が活用できると書いている。服に液晶ディスプレイを表示するタイプも開発されているらしい。おそらく考えられる用途としては上記のとおりであろう。

非常に面白い!!
ただ、そこまでする必要が本当にあるのかという点では、個人的には少々疑問を感じるのである。

ユビキタスとは何か

授業のレポートでユビキタスをまとめていた中で出会った一冊。

ユビキタスとは何か
坂村健著
岩波新書


日本における「ユビキタス」の始まりである「どこでもコンピュータ」という考えを提唱した坂村教授が書いた本。ユビキタス・コンピュータの考え方から、ユビキタス社会の目指すもの、具体的な構想や実証実験までがまとめられている。

日本において、このような考えを早い段階でもって研究を重ねていらっしゃることに驚くと共に、感銘を覚えた。坂村教授の実験で面白いと感じたものが、国土交通省と共に行っている「自律的移動支援プロジェクト」である。これは、ICチップの技術を活かして障害を持った人でも安心して街を歩ける仕組みを作ろうと行っている。具体的には、点字ブロックと、白杖にICチップを組み込み
歩くと、今、どこにいるのか、どの方向に行けばよいのかを音声が聞ける機械で教えてくれる、道案内してくれるというものである。

ユビキタス社会とは、だれでもどこでもコンピュータが使える社会であると言われている。それも、コンピュータを使っていることを意識せず、ストレスを感じずに生活をしていける状態である。私は、現在のユビキタスは、どちらかというと健常者に向けたものが多いのではないかと感じていた。しかし、だれでもであるから、障害を持った人や高齢者などには特にユビキタスの技術を利用できるような仕組みであるべきだと考えている。
坂村教授の取組みは、私のその考えに非常にマッチした取組みであった。

Saturday, March 28, 2009

パズル・パレス

先日、たまたま通りかかった本屋で、「パズル・パレス」の文庫本が新刊されるとのポスターを発見。以前から読みたいと思っていた本だが、単行本なので躊躇していた。
新刊日の25日に、仕事が終わるやいなや早速本を買ってしまった(笑)

パズル・パレス(上)(下)
ダン・ブラウン著
越前敏弥翻訳 熊谷千寿翻訳
角川文庫


アメリカの史上最強最大の諜報機関、NSA。別名パズル・パレス。
全通信を傍受できるNSAのスーパーコンピュータ「トランスレータ」が狙われる。対テロ対策として開発されたが、一般市民の通信全てをも監視可能なこのコンピュータの存在は決して公にできない国家機密であった。この状況に憤った元スタッフが、自ら開発した「デジタル・フォートレス」という解読不可能な暗号ソフトを楯に、「トランスレータ」の公表を迫る。

ダン・ブラウンの作品サイコー!!期待を裏切らない。読み出したらもう止められなくて。。。通勤時間、昼休み、帰宅後、時間があったら続きが知りたくなってしまう。
私は、小さい頃から推理小説が好きである。彼の作品は暗号やらなんやら出てきて難しいのだが、次から次へと展開があって面白い。それに、2つ3つの場面が代わる代わる出てきて進んでいく。たまに混乱することはあるのだけれど、色んな場面を自分の中で想像しながら考えていけるのがたまらなく面白い。かなりはまりました^^


Saturday, March 21, 2009

グラミン銀行を知っていますか

前述していたように、グラミン銀行に関する本を読んだ。

グラミン銀行を知っていますか
坪井ひろみ著
東洋経済新報社


以前に触れたかもしれないが、ノーベル平和賞を受賞したムハバド・ユヌス博士が設立したグラミン銀行。貧困層を対象とする無担保の融資マイクロクレジットをおこなった。この本では、グラミン銀行に関心を持った著者が実際にバングラデシュを訪れ、マイクロクレジットを利用して生活の質を高めようと頑張っている女性たちを取材しまとめたものである。

社会企業家を調べる中で、グラミン銀行の話は必ず出てくる。
1983年に設立され、もう20年以上の歴史がある。こんなに以前から、貧困層の人たちを支援する活動が始まっているとは驚きである。確かに、以前紹介したことのある「グリーンベルト運動」もかなり前から活動されている。やはりどんな時代でも社会のために何かしたいという気持ちを持つ人たちはいるものである。
ちなみに、この本では特にグラミン銀行のマイクロクレジットを活用する女性たちからの視点で書いている。よって、バングラデシュの女性達の過去、グラミン銀行を知ってからの現状をこの本から読み取ることができる。社会的に弱い立場におかれていた彼女たちは、マイクロクレジットと関わることで、自信を持ち、家族のために何かできるようになっていく。その姿には感動である。ただ、ユヌス博士がどのようにこの活動を始め、進めていったのかを知るものとしては少々物足りない感じを受けた。

Friday, March 20, 2009

クレイジーパワー

本屋で見つけたこの一冊。惹かれて買ってしまった(笑)

クレイジーパワー
ジョン・エルキントン パメラ・ハーティガン著
関根智美訳
英治出版

前回に引き続き、社会起業家関係の本。
紛争、テロ攻撃、貧困、飢餓、伝染病、気候変動……。今、世界は多くの歴史的な問題に直面している。しかし、これらの問題にも適切なアプローチで臨めば、計りしれない市場機会が創造されると実証されはじめている。この本では、こうした市場を生み出している起業家たちへの数百時間に及ぶ、インタビューや対話から得られた生の声を紹介しながら、彼らが創り出したビジネスモデル、資金調達、マーケット、リーダーシップの手法を分析・考察している。

前述したように多くの人達との長時間に及ぶインタビューや対話を基に分析・考察されているだけあって、多くの事例と特徴がまとめられている。私は気になったところは付箋をつけるようにしているのだが、かなり付箋の数があって、ここに書ききれない程である。とにかく、この本で社会起業家・そのビジネスは非常識であると言及しているように、彼らは周囲が見向きしないようなことに対してでも、自分を信じて突き進んでいく。すごいパワーである。私のパワーにもなり、またこれから先を考える上で様々なヒントをもらったように思う。

Thursday, March 19, 2009

世界を変える人たち

今、学校が休みなので、以前から興味あった本を読むことに。
発展途上国におけるビジネスを実現している社会起業家の関係。
その第一弾。図書館で偶然的に見つけた本。

世界を変える人たち
デービット・ボーンステイン
井上英之監訳 有賀裕子訳
ダイヤモンド社


「社会起業家」とは、社会変革の担い手として、社会の課題を、事業により解決する人のことを言う。(ウィキペディアより)この本では、社会起業家の支援組織である「アショカ」が後押しする社会起業家たちを紹介している。

私は、途上国でITを上手く活用できないかということに関心があるので、途上国とITに関係ある社会起業家の話が特に印象に残った。
例えば、カメルーンの女性起業家サポート協会。生花栽培や手工芸など零細事業に携わる女性たちを、インターネットを介してヨーロッパの顧客に引き合わせている。他には、ブラジルのCDI(ITをすべての人に広める会)。貧しい国のスラム街にコンピュータ教育を広めた。なんとこのCDIは、フランチャイズのような仕組みで広がっている。地域のリーダーが教え手と開催場所を手配し、生徒を集め、開催プランと予算を示し、そのプランが現実的なものであれば、CDIはコンピュータとソフトウェアを貸し出し、先生を務める人達に研修をするというやり方。
これらの例に限ったことではないが、様々な困難な状況下でも工夫と努力によって、解決法を見出す。そのパワーには頭が下がる。決して自分はここまでできるとは思わないが、何か頑張る力みたいなものをもらった気がする。なかなか面白い。




今度は、グラミン銀行のムハマド・ユヌスの本を読んでみよう。

Tuesday, March 3, 2009

Webサイト構築

ちょっとした機会に恵まれて、Webサイトを一から立ち上げるプロジェクトに関わることになった。そこで、本を読んで勉強。特に、Webサイトの構築方法とプランを立てるときの参考にと買った本が下記の2つ。

Webサイト 構築・運営の常識
佐藤和明著
ソシム


サーバ・ドメインなどのWebサイト構築における基礎知識から、プラニング、外注する際のポイント、アップ後のウェブマネジメント等。具体的なWebサイト構築・運営方法が書かれている。特に、中小企業の担当者が会社のホームページを立ち上げることをイメージして、それに必要な知識を載せている。

かなり自分が知りたかった内容がここに凝縮されている。幅広く知識を載せているにも関わらず、非常に読みやすい。Webサイト作成計画をする際の流れ、ポイントが非常に分かりやすい。特に、コンテンツ決定までの作業の流れ・ポイントやサーバやドメイン選びのポイントが私は参考になった。


Webサイトプランニング
村上友紀著
技術評論者


Webサイトを構築プロジェクトを成功させるためのポイントが細かく書かれている。サービスサイトとしてのプランニング(コンセプトや戦略、デザインの考え方)、マーケティングツールとしてのプランニング(課題把握~改善、ブランドコミュニケーションなど)

前者とは違って、Webサイトプランイングに絞っている。何事もそうだが、やはりプランニングが非常に大切。しかし、実際プランを立てるとなると、何から考えていいのか悩んでしまう。この本ではどのように進めていけばよいかが分かりやすく書かれている。これを参考に進めていけば、なんとかなりそうな気がする。また、様々な参考になるサービスやサイトがあげられていて、それが私にとって有難かった。



Tuesday, February 24, 2009

リーダーシップ ケーススタディ

その他リーダーシップ ケーススタディをあげている本を紹介する。

「天才組織」をつくる グレート・グループを創造する15の原則
ウォーレン・ベニス パトリシア・ウォード・ビーダーマン著
服部明監修 佐々木直彦・純子翻訳
日本能率協会マネジメントセンター

戦略リーダーの思考技術 「実践ケーススタディ」
大中忠夫、ウィリアム・フォルフィネ著
ダイヤモンド社


前者は、「1人の天才にできることよりも、天才たちの力を結集したグレート・グループが達成することの方が優れている」これをディズニーやクリントン選挙対策チームなど7つのケーススタディから立証している。
これもまた非常に面白い内容であった。以前にブログで書いたことがある『「みんなの意見」は案外正しい』に近い内容である。ただ、集結されているのは天才たちである。実は、私はこれで以前にブログで書いたアラン・ケイ氏を知ったのである。是非、一度読んでみることをお勧めしたい。

後者もまた、有名な企業な社長やCEOにおけるケーススタディを元にリーダーシップ能力強化のための思考と行動や、リーダーシップ人材育成のための戦略について説明されている。少々セオリーよりな気がする。



問題解決型リーダーシップ

リーダーシップのケーススタディである。

「問題解決型リーダーシップ」
佐久間 賢
講談社現代新書


マネジメントとリーダーシップの違い。海外と日本でのリーダーの違い。上司と部下の認識のギャップ。それらをアンケート結果やより具体的なケーススタディによって説明している。

この本では、リーダーを下記の2種類に分けている。部下の意見を尊重して意思決定し、新しい経営手法も積極的に導入して、部下も満足する問題解決を行う上司。独断専行し、時には「脅し」的指示も行って部下から嫌われ、両者の間には埋めがたい価値観のギャップある上司。この本では、前者を「ギャップ型リーダー」、後者を「問題解決型リーダー」を呼んでいる。そして、日本にはこの「ギャップ型リーダー」が多いと筆者はこの本でいっている。そして、意欲と問題認識さえあれば、問題解決型リーダーシップの修得は十分に可能であるとし、いくつかのケーススタディを用いてそのリーダーとしての要素を説明しているのである。

今まで読んだ関連の図書の中で一番読みやすく、リーダーシップの要素を理解できたように感じる。おそらく説明が的確で、あげられていたケーススタディが日常でもよくありそうなケースを用いており、想像がしやすかったからだと思われる。一つ例をあげるとすると、まずマネジメントとリーダーシップの違いについて下記のような非常に分かりやすい例を用いている。
違いを鉄道経営ににたとえると、リーダーシップは「原野に鉄道のレールを敷く役割」であり、マネジメントはそのレールの上を時間を守り安全に「列車を運行させる役割」であるという。他のどの本でも言われるように、メンバーの動機づけを行い、さらに強い指導力でもって目標を達成させる。マネジメントは組織を管理運営してビジネスを行うことである。

Friday, February 20, 2009

リーダーシップ

他にも読んだリーダーシップ理論の本をあげておく。

2冊とも授業で推薦された本である。
「リーダーシップ論」は確かに読み応えがある。リーダーとマネジャーの違いを明確にあげており、また周囲、上司を動かすためには、さらには抵抗勢力にどのように対応するかということまで書いている。
「リーダーシップIQ」はリーダーとして必要な事柄が整理され具体的なケースを用いて説明されている。でも、私の頭にはすんなり入ってこなかったのは何故だろう。。。

「リーダーシップ論 いま何をすべきか」
ジョン・P・コッター著 黒田由貴子監訳
ダイヤモンド社

「リーダーシップIQ 7つの行動指針と8つの役割」
エメット・C・マーフィー著 新 将命訳
日本実業出版社




「最強のリーダーたち」の考え方

リーダーシップ ケーススタディを書くにあたって、関連図書を探していたら見つけたこの本。つい魅かれてすぐに借りてしまった。(最近、私は図書館にいくことが多い)

「最強のリーダーたち」の考え方
片山 修
PHP研究所


本書は、筆者が学習院女子大学で「特別講義 経営リーダー」授業にて企業のトップリーダーを招いた際の話である。企業は何を考えているのか、どんな事業展開をしているのか、社会とどのような関わりを持っているのか、働くとはどういうことなのかをトークショー形式で話している。

2001年に発行されているので少々情報は古いが、企業のリーダーの話が興味深く、言葉が印象に残った。数年前の話だが、現在の状況をリーダーはつかんでいた。授業を受けながら疑問に感じていた答えをリーダーが答えてくれているように感じた。

「『横の社会』が『縦の社会』よりの強くなってくる。(略)ほとんど資金は持っていない。何があてになるかというと、自分たちの力です。その横のつながりというのが瞬時にでき、むしろ縦の力よりも強くなる。それが二十一世紀だと、私は考えています。」
「しかし、本当におカネだけが会社の経営資本なのだろうか。人間も資本だし、社会に勤めている人材の持っているノウハウとか、あるいは特許権とか、あるいは技術上の熟練とか、すべてのものが経営資源になり得るだろうと思うのですね。」
「ブランドというのは、要するに、信頼です。一言でいえば信頼なのです。」
資生堂名誉会長 福原氏

「私は現代における経営において、いちばん大事なことはスピードだと思います。」
日本航空社長 兼子氏

「現場の意見を尊重し、あるいはもっといえばお客さまのことを本気になって尊重する会社は、働いている人間にもやりがいや感動を与えますし、実際に伸びるんですよね。」
本田技研工業専務 福井氏


Tuesday, February 17, 2009

ワンガリ・マータイ

今回、彼女のリーダーシップ ケーススタディをまとめることにした。
何故、彼女に注目したのか。やはり彼女がアフリカ ケニア出身の女性であることが大きい。私は、アフリカときってもきれないのだと思う。

「モッタイナイで地球は緑になる」
ワンガリ・マータイ著 福岡伸一訳
木楽舎


「UNBOWED へこたれない ワンガイ・マータイ自伝」
ワンガリ・マータイ著 小池百合子訳
小学館


ワンガリ・マータイさんは、77年からグリーンベルト運動(GBM)を通じて、植林をすることによる持続可能な開発の推進に取り組んだ人物である。そして、アフリカ人女性とした初のノーベル平和賞を受賞した人である。アメリカ留学やその後の祖国ケニアでの大学教授としての生活の中で、人権問題やジェンダー問題など様々な問題に立ち向かってきた彼女の人生がこれらの本にまとめられている。

彼女の名前はずっと前から(おそらくノーベル平和賞を受賞した際)知っていたが、彼女がどのようなことを成し遂げたのかはよく知らなかった。この本を読み、幾度となく困難な状況に陥っても前向きにやっていく彼女の姿に感動を覚えた。いくつも頭に残った言葉がある。
「私はおのれの良心に従い、正しいことを行っていた」
(ワンガリ・マータイ著 福岡伸一訳, 『モッタイナイで地球は緑になる』(2005),木楽舎,P41,L10)
「問題を理解することと、その問題について何か行動を起こすのはまったく別のことだ。だが私の関心は常に、解決策を見つけることにあった。(略)できないことを心配するよりも、できることを考えるのだ。」
(ワンガリ・マータイ著 小池百合子訳, 『UNOWED(へこたれない』(2007),小学館,P201,L0)
その他様々な彼女の言葉からも、自分が励まされている思いがした。





彼女の素敵さを伝えるためにもう一つ。

Saturday, January 24, 2009

Sueak

なんと、パーソナルコンピュータの父とも言われる「アラン・ケイ氏」の講演を聴く機会に恵まれた!!
とは言え、それまであまりアラン・ケイ氏を知らなかった私。。。すみません。※まだ知らない方、ここを見て下さい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B1%E3%82%A4

今では当たり前のように聞くオブジェクト指向。1970-80年代にその画期的な考えを提唱し、それに基づいてSmalltalk言語を開発された人である。今回の講演でも、IQよりもKnowledgeよりも大事なものは、Outlookであるとお話されていた。「Outlook give you point of view」
今あるものにこだわらず、色んなものを見て、考えて、先を見通す、見通そうという気持ちが大事なのだと思う。
ちなみに、アラン・ケイ氏はSqueakという言語も開発している。このソフトウエアでは誰でもプログラミングできるので、主に学校教育を対象にして研究が進められ活用されている。Squeakを使って先生が生徒用にメディアを創ったり、生徒がコンピュータ科学だけでなく数学や科学について学んだり。京都でも京都大学を共同でアランケイプロジェクトが発足され、京都内の学校にてSqueakを用いた教育が取り入れられている。
非常に視覚的に学ぶことができ、操作も分かりやすいので、今まで現存するソフトウエアはどうも苦手だという人も比較的やりやすいのかもしれない。途上国に行っていた際にこれを知っていれば活用したのに。きっと彼らはかなり興味を示したに違いない。

ちなみに、この講演の際に売られていた本を買ってしまった。
Powerful Ideas in the classroom
using Squeak to Enhance Math and Science Learing
B.J Allen-Conn & Kim Rose

でも、残念ながらAmazonでは売っていないらしい。関連する本を上げておきます。



Saturday, January 17, 2009

「みんなの意見」は案外正しい

学校のある先生が勧めていた本。
先生自身はこの本の内容に全て賛成ではないらしいが、ちょっと面白そうなので読んでみることにした。

「みんなの意見」は案外正しい
ジェームズ・スロウィッキー著 小高尚子訳
角川文庫


最近のグーグルのインターネット検索エンジンに代表されるように
非凡な一人より、平凡な集団の意見の方が賢いであることを様々な事例を基に
述べられている。いわゆる「集団の知恵(集合知)」である。

この本の第一部は面白かった。特に、スペースシャトル・コロンビア号の惨事の原因を約20分後には予測した株式市場(専門家が原因を追究し公開するまでには6ヶ月かかったが)。軍務から帰る最中で消息を絶ったアメリカ海軍の潜水艦スコーピオン号の位置の推測。(わずかな情報から様々な分野の人達の判断を集約して結論づけると200mの誤差しかなかった)
第二部はケーススタディで、「集団の知恵」を証明しているというよりは、「集団の知恵」をせずに失敗している事例もしくは「集団の知恵」をしてもうまくいかない事例をあげている。なかなかその面白味に欠けたがそれが現実なのだろう。(本書でもそのように述べている)

そう言えば、日本にも「三人寄れば文殊の知恵」といわれることわざもあったな。

Sunday, January 11, 2009

デセプション・ポイント

更に引き続きダン・ブラウンの小説。今度は、ラングドンシリーズではないがこれもある奇怪な事件へと引き込まれていく。

デセプション・ポイント
ダン・ブラウン著 越前敏弥訳
角川文庫


アメリカ国家偵察局(NPO)局員のレイチェルは、直々に大統領から呼び出され、NASAが大発見をしたので彼女の目で確かめて欲しいという。そして舞台は北極へ。氷棚に埋まった巨大な隕石から等脚類の化石が大量に発見され、これは地球以外にも生物が存在する証拠であり、まさに世紀の大発見となる。しかし、レイチェルは科学者チームと調査を進めるうちに驚くべき謀略の深みへとはまっていく、、、

アメリカの様々な機関が登場してくるのだが、私はなにより隕石・地球外生命に関する様々な見解を読めるのが楽しかった。そして、最後の展開がなかなか見えてこないところも、最後までドキドキ・ハラハラさせられた。常に誰か首謀者なのか考えながら読んでいくのはしんどかったが、面白いところでもあった。

天使と悪魔

ダン・ブラウンの小説にはまってしまった私。次に読んだ本がこれ。

天使と悪魔
ダン・ブラウン著 越前敏弥訳
角川文庫


ラングドンシリーズの2作目。
ハーバード大学教授(図像学者ラングドン)は、スイスの化学研究所長から電話を受け、十七世紀にガリレオが創設した科学者たちの秘密結社”イルミナティ”の伝説の紋章についての説明を求められる。そして、その紋章はある科学者の男の死体の胸に焼印として押されていたという。殺害された科学者の娘であるヴィットリアと共に、イルミナティの真の目的と今回の事件の首謀者を追っていく。

今回も事実を基に書かれている。秘密結社イルミナティに関する記述もである。その詳細な歴史的背景、事実が私を虜にして止まなかった。。。ホームズ、ポワロなど大好きであったが、このような小説もたまらない。新しい発見と興味がわく。宗教的な話で難しく感じる部分もあるが、このような解釈もあったと受け取るようにしている。そして、古人の偉大さを知るばかりである。

ダ・ヴィンチ・コード

仕事と学校が始まり、本を読むスピードが遅くなったので、以前に読んだ本で好きな本をあげてみる。

ダ・ヴィンチ・コード
ダン・ブラウン著 越前敏弥訳
角川文庫


物語は、ルーヴル美術館の館長が異様な死体で発見されたことより始まる。館長は、レオナルド・ダ・ヴィンチの最も有名な素描<ウィトルウィウス的人体図>を模した形で横たわっていたのだ。そこで、館長と会う約束をしていたハーバード大学教授ラングドンが、警察より操作協力を受け、館長の孫娘で暗号解読官であるソフィーと共にこの事件の謎を解いていく。

この小説が映画化されブームになっていた頃、私は日本に居なかった。しかし、日本にいる私の元会社の上司が送ってくれた。読み始めてすぐにその虜になった私。なんと2日間で読み上げた!!(通常の生活をしながら)
様々な歴史的美術作品や建築物、場所や象徴などに隠されたメッセージを読み解いていく様子に非常にひきつけられた。私は元々推理小説が好きな方なのだが、自分が知っている作品に対してこのような解釈もあったのかという新しい発見がいくつも出てきた。(著者は、実際この本を書くために調査を行い、残された文書にある事実に基づいてこの小説を書いている)
映画を後で観たが、時間が限定されているため、謎の解釈が飛ばされている箇所がいくつもあった。絶対、本で読むことをお勧めする。上・中・下巻をまとめ買いしていただきたい。

Thursday, January 1, 2009

「天才組織」をつくる

これも授業で読む必要が出てきた本。

「天才組織」をつくる グレート・グループを創造する15の原則
ウォーレン・ベニス、パトリシア・ウォード・ビーダーマン著
日本能率協会マネジメントセンター


この本は、「一人の天才にできることよりも天才たちの力を結集したグレート・グループが達成することの方が優れている」という考え方に基づいて、七つの事例を研究し、とりまとめられたものである。事例では、ディズニー、マッキントッシュ、クリントン選挙対策チームなどが取り上げられている。

様々な事例があげられているので、非常に興味深い。これらの事例を読んでいる中で、グレート・グループには、①若手 ②優秀な人材 ③協調性がある人達が集まっていること。そして、これらをまとめるリーダーは、情熱と信念でもってメンバーをまとめあげ、彼らの個々の能力を最大限に発揮させる。自らやるというよりは、彼らを後ろからバックアップするような存在であることが分かる。
ただ、一つ言えば、一つの事例の中でも様々な人間が出てきて、様々な出来事が起こっているため、少々話のすじを読み取るのが難しい。どんな偉業を成し遂げたのか、一体誰がグレート・リーダーなのかよく分からなくなる。
もう一度読んでみると変わるかもしれない。