Monday, June 8, 2009

ユビキタスとは何か

授業のレポートでユビキタスをまとめていた中で出会った一冊。

ユビキタスとは何か
坂村健著
岩波新書


日本における「ユビキタス」の始まりである「どこでもコンピュータ」という考えを提唱した坂村教授が書いた本。ユビキタス・コンピュータの考え方から、ユビキタス社会の目指すもの、具体的な構想や実証実験までがまとめられている。

日本において、このような考えを早い段階でもって研究を重ねていらっしゃることに驚くと共に、感銘を覚えた。坂村教授の実験で面白いと感じたものが、国土交通省と共に行っている「自律的移動支援プロジェクト」である。これは、ICチップの技術を活かして障害を持った人でも安心して街を歩ける仕組みを作ろうと行っている。具体的には、点字ブロックと、白杖にICチップを組み込み
歩くと、今、どこにいるのか、どの方向に行けばよいのかを音声が聞ける機械で教えてくれる、道案内してくれるというものである。

ユビキタス社会とは、だれでもどこでもコンピュータが使える社会であると言われている。それも、コンピュータを使っていることを意識せず、ストレスを感じずに生活をしていける状態である。私は、現在のユビキタスは、どちらかというと健常者に向けたものが多いのではないかと感じていた。しかし、だれでもであるから、障害を持った人や高齢者などには特にユビキタスの技術を利用できるような仕組みであるべきだと考えている。
坂村教授の取組みは、私のその考えに非常にマッチした取組みであった。

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