Tuesday, September 28, 2010

援助じゃアフリカは発展しない

先ほどよりさらに援助に対して(過激なほどに)批判的な本。

援助じゃアフリカは発展しない
ダンビサ・モヨ (著), 小浜 裕久 (翻訳)
東洋経済新報社


私は、非常に申し訳ないがこの著者のことを、今まで知らなかった。2009年TIME誌で「世界で最も影響力のある100人」に選ばれたらしい。アフリカの問題を、アフリカ女性が(おそらく初めて)本格的に書いたということで非常に注目をあびたとのこと。
批評に「これは劇薬である」と書かれていたが、確かに非常に過激な論理を繰り広げている。
ここ5年以内に援助を一切止めるよう宣言する、いわゆるショック療法を与えるべきだと。

個人的には、一切しないというのはどうかと思うが、今まで多額のお金が援助されてきたにも関わらず、貧困層の人々にはほぼ渡らず、大した解決が図れなかった事実を考えると、彼女の言い分も一理あるのではないかと思う。
非常に面白い本である。

傲慢な援助

今まで「ジェフリー・サックス」「ポール・コリアー」の本を読んできた。どちらかと言えば、援助を援護するような内容だ。その内容に私自身衝撃を受けて素晴らしいとも思ってきたけれど、今度は援助に対して少々批判的な本を読んでみることにした。違った意見も見てみることは大切だと思ったからだ。

傲慢な援助
ウィリアム・イースタリー (著), 小浜 裕久 (翻訳), 織井 啓介 (翻訳), 冨田陽子 (翻訳)
東洋経済新報社


プランナーとサーチャー
著者は、国際的な機関やジェフリー・サックスのような人々をプランナー(Planner)と呼んでいる。先進国はもっと巨額の援助をすべきだというビック・プランのようなアプローチを提唱する人々。
それに対して、貧困層:ボトムの人々の立場にたって、どのようにすれば問題を解決できるかを考え、具体的な計画と行動をできる人々のことをサーチャー(Searcher)と呼んでいる。
著者は、決して援助が不要だとは言っていない。従来のように単に巨額な援助をしているだけでは何の成果も得られない(実際成果を得てこなかった)。サーチャーのように貧困層の役に立つにはどうすればよいか、ボトムアップ的な解決方法を見出し、一つずつ着実に実行していくべきだという。

確かに。今まで国連ミレニアムのような大きなプランに私も目をやられてきたけれど、本当に解決するには一つずつ少しずつであっても成果を出していけるような行動が必要だと思う。かつ、それは私達先進国側からの見方ではなく、途上国の彼らに合ったやり方で実行できたら十分ではないだろうか。

ブルー・セーター――引き裂かれた世界をつなぐ起業家たちの物語

Amazonで今まで読んだ国際協力関係の本を検索すると、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」の中にあがってくることが多かったこの本。一度読んでみたかった。やっと機会を作れた。


ブルー・セーター――引き裂かれた世界をつなぐ起業家たちの物語
ジャクリーン ノヴォグラッツ (著), Jacqueline Novogratz (著), 北村 陽子 (翻訳)
英治出版


正直なところ、この本を読むまでどんな内容が書かれているか知らなかった。誰が書いているかも。。。
この本は、アキュメン財団のCEOジャクリーン ノヴォグラッツが書いている。自分の今まで歩み、途上国との関わりとアキュメン財団を設立、軌道に乗るまで。途上国での経験を通して、貧困問題を解決するにはどうしたらいいかを深く考え続けている。
そうした経験を元に設立したアキュメン財団の”世界を良くしたいと願う人々の「意志あるお金」を集めて、途上国で貧困解消・事業創出に取り組む起業家たちに投資する”というモデル、この途上国で取り組む起業家を支援するというアイデアは非常に素晴らしいと私は思う。そういうリーダーを見つけることは、決して簡単なことではないが必ずいる。
何か希望の光を見せてくれたような気がした。

ルワンダ大虐殺にまつわる経験談も非常に印象的だった。

Wednesday, September 22, 2010

社会貢献でメシを食う

梅田さんの本と共に衝動買いしてしまった本。
DiamondOnline:「社会貢献を買う人たち
」の連載を読んでいる中でこの本が出ることを知った。

社会貢献でメシを食う
竹井 善昭 (著), 米倉 誠一郎 (監修)
ダイヤモンド社


非常に初心者でも分かりやすく書かれていると思う。
周りの人達と話をしていると、社会貢献はビジネスとはつながらないという人が多い。ビジネスで成功して余裕がある人達がするものだと。
でも、私は、社会貢献もビジネス活動の一つ、そういう道もあってもいいのではないだろうかと思う。
そういった道に進むために参考になる本だと思う。現状と、どうやって進んでいけばいいのか。
志も大切だが、プロフェッショナルであること。やっぱりそうなんだよね。
でも、私にとっては痛い言葉。私は一体何のプロフェッショナルなんだろう。何のプロフェッショナルになりたいんだろう。。。。

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか

先ほどの「ウェブで学ぶ」があまりにも面白かったので、まだ読んでなかったこの本もご購入。

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか
梅田 望夫 (著)
ちくま新書


ウェブ時代をいく私たちに向けた三つの言葉が載っていた。
・「Only the Paranoid Survive」(病的な心配性な人だけが生き残る)
 経営者アンディ・グローブ(インテルをゼロから世界一に育てた人)の座右の銘
 このくらいの緊張感で事に処する者だけが、厳しい競争を生き残ることができるという意味。
 激しい環境変化の中を生き抜くには、神経を研ぎ澄ませ、緊張感に溢れたリアリズムで自らを見つめ、創造につながる直感を磨きつづけなければならない。
・「Entrepreurship」(アントレーナシップ)
 真髄は、「自分の頭で考え続け、どんなことがあっても絶対にあきらめない」ことに尽きる。
 手探りで困難に立ち向かうマドルスルー(泥の中を通りぬける)のプロセス自体を、心が楽しんでいなければならない。「好きということのすさまじさ」の度合いが競争力の源泉になる。
・「Vantage point」(見晴らしのいい場所)
 その分野の最先端で何が起きているのかを一望にできる場所にけば、同じ道を疾走してきた人たちとも出会って切磋琢磨できる。

ウェブ時代では、リアルだけではないネットの世界も自由に行き来しながら創造的に生きること。だからこそ、自分を信じ、好きを貫く人生を送ること。本当の幸福とは、そういう心の在りようにこそある。と著者は言う。
自分の道・生き方にいつも悩んでいる私。少し気持ちが晴れたような気がした。
自分の道を決めるのは自分である。

ウェブで学ぶ ――オープンエデュケーションと知の革命

突然だけれど、興味のある新書が出るとの話を聞き、騒動買い。
「ウェブ進化論」で有名な梅田さんの新しい著書。
※「ウェブ進化論」はここに載せていなかったかなぁ。。。

ウェブで学ぶ ――オープンエデュケーションと知の革命
梅田望夫 (著), 飯吉透 (著)
ちくま新書


読み終わって一言。とにかく『面白い』!!
MITが講義内容を無料公開している(MITオープンコースウェア)という話は聞いたことがあったけど、具体的にはどんなものなのかよく知らなかった。
この本は、MITコースウェアを含めたオープンエデュケーションの現状が書かれている。
今は、MITだけではなく他の大学もオープンエデュケーションに対して試行錯誤している。南アフリカでは、教材はすでにウェブにあるものを使用し、講師も世界中からボランティアでやってくれる人を募集することによって、学費を抑えた大学が出現しているという。まだ起動にはのってないようだけれど、すごく面白い試みだと思う。
このように講義内容が無料で公開されていることによって、これからは知識(教材)ではなくて、教えるノウハウが重要になってくるだろうとのこと。
いいんじゃないかなぁ。正直、先生陣の教えるスキルをもっと高めて欲しい。

Saturday, September 11, 2010

African Business

ここ最近、卒論プロジェクトをつめていて本が読めていない。
定期的に呼んでいる雑誌を紹介したい。

African Business
IC Publication


アフリカの情報ってなかなか入手できない。現在はネットで入手できるけど、電車の中とかカフェで読めるような雑誌が欲しいなぁと思って定期購読しはじめた。
アフリカのビジネス、エネルギー、農業、インフラ、ITなどなど注目ニュースを掲載している。最近の動向を知るには一つの入手チャネルかも。全て英語なので読むのに時間はかかるけど、1・2ヶ月に1回の発行なのでちょうどいいタイミング。

どの書店でも取り扱ってるわけではなくて、大きな書店であれば取り扱いがあるかもしれないし、取り寄せは可能。私は、上記にリンク貼っているサイトから申し込んだ。(安いので)申込確認メールも届かず、お金の引き落としだけされて、「あぁ、、騙されたかなぁ」と思った2ヵ月後くらいから雑誌が届き始めた。ちょっとドキドキやけど、ちゃんと送ってくれます。