Tuesday, February 24, 2009

リーダーシップ ケーススタディ

その他リーダーシップ ケーススタディをあげている本を紹介する。

「天才組織」をつくる グレート・グループを創造する15の原則
ウォーレン・ベニス パトリシア・ウォード・ビーダーマン著
服部明監修 佐々木直彦・純子翻訳
日本能率協会マネジメントセンター

戦略リーダーの思考技術 「実践ケーススタディ」
大中忠夫、ウィリアム・フォルフィネ著
ダイヤモンド社


前者は、「1人の天才にできることよりも、天才たちの力を結集したグレート・グループが達成することの方が優れている」これをディズニーやクリントン選挙対策チームなど7つのケーススタディから立証している。
これもまた非常に面白い内容であった。以前にブログで書いたことがある『「みんなの意見」は案外正しい』に近い内容である。ただ、集結されているのは天才たちである。実は、私はこれで以前にブログで書いたアラン・ケイ氏を知ったのである。是非、一度読んでみることをお勧めしたい。

後者もまた、有名な企業な社長やCEOにおけるケーススタディを元にリーダーシップ能力強化のための思考と行動や、リーダーシップ人材育成のための戦略について説明されている。少々セオリーよりな気がする。



問題解決型リーダーシップ

リーダーシップのケーススタディである。

「問題解決型リーダーシップ」
佐久間 賢
講談社現代新書


マネジメントとリーダーシップの違い。海外と日本でのリーダーの違い。上司と部下の認識のギャップ。それらをアンケート結果やより具体的なケーススタディによって説明している。

この本では、リーダーを下記の2種類に分けている。部下の意見を尊重して意思決定し、新しい経営手法も積極的に導入して、部下も満足する問題解決を行う上司。独断専行し、時には「脅し」的指示も行って部下から嫌われ、両者の間には埋めがたい価値観のギャップある上司。この本では、前者を「ギャップ型リーダー」、後者を「問題解決型リーダー」を呼んでいる。そして、日本にはこの「ギャップ型リーダー」が多いと筆者はこの本でいっている。そして、意欲と問題認識さえあれば、問題解決型リーダーシップの修得は十分に可能であるとし、いくつかのケーススタディを用いてそのリーダーとしての要素を説明しているのである。

今まで読んだ関連の図書の中で一番読みやすく、リーダーシップの要素を理解できたように感じる。おそらく説明が的確で、あげられていたケーススタディが日常でもよくありそうなケースを用いており、想像がしやすかったからだと思われる。一つ例をあげるとすると、まずマネジメントとリーダーシップの違いについて下記のような非常に分かりやすい例を用いている。
違いを鉄道経営ににたとえると、リーダーシップは「原野に鉄道のレールを敷く役割」であり、マネジメントはそのレールの上を時間を守り安全に「列車を運行させる役割」であるという。他のどの本でも言われるように、メンバーの動機づけを行い、さらに強い指導力でもって目標を達成させる。マネジメントは組織を管理運営してビジネスを行うことである。

Friday, February 20, 2009

リーダーシップ

他にも読んだリーダーシップ理論の本をあげておく。

2冊とも授業で推薦された本である。
「リーダーシップ論」は確かに読み応えがある。リーダーとマネジャーの違いを明確にあげており、また周囲、上司を動かすためには、さらには抵抗勢力にどのように対応するかということまで書いている。
「リーダーシップIQ」はリーダーとして必要な事柄が整理され具体的なケースを用いて説明されている。でも、私の頭にはすんなり入ってこなかったのは何故だろう。。。

「リーダーシップ論 いま何をすべきか」
ジョン・P・コッター著 黒田由貴子監訳
ダイヤモンド社

「リーダーシップIQ 7つの行動指針と8つの役割」
エメット・C・マーフィー著 新 将命訳
日本実業出版社




「最強のリーダーたち」の考え方

リーダーシップ ケーススタディを書くにあたって、関連図書を探していたら見つけたこの本。つい魅かれてすぐに借りてしまった。(最近、私は図書館にいくことが多い)

「最強のリーダーたち」の考え方
片山 修
PHP研究所


本書は、筆者が学習院女子大学で「特別講義 経営リーダー」授業にて企業のトップリーダーを招いた際の話である。企業は何を考えているのか、どんな事業展開をしているのか、社会とどのような関わりを持っているのか、働くとはどういうことなのかをトークショー形式で話している。

2001年に発行されているので少々情報は古いが、企業のリーダーの話が興味深く、言葉が印象に残った。数年前の話だが、現在の状況をリーダーはつかんでいた。授業を受けながら疑問に感じていた答えをリーダーが答えてくれているように感じた。

「『横の社会』が『縦の社会』よりの強くなってくる。(略)ほとんど資金は持っていない。何があてになるかというと、自分たちの力です。その横のつながりというのが瞬時にでき、むしろ縦の力よりも強くなる。それが二十一世紀だと、私は考えています。」
「しかし、本当におカネだけが会社の経営資本なのだろうか。人間も資本だし、社会に勤めている人材の持っているノウハウとか、あるいは特許権とか、あるいは技術上の熟練とか、すべてのものが経営資源になり得るだろうと思うのですね。」
「ブランドというのは、要するに、信頼です。一言でいえば信頼なのです。」
資生堂名誉会長 福原氏

「私は現代における経営において、いちばん大事なことはスピードだと思います。」
日本航空社長 兼子氏

「現場の意見を尊重し、あるいはもっといえばお客さまのことを本気になって尊重する会社は、働いている人間にもやりがいや感動を与えますし、実際に伸びるんですよね。」
本田技研工業専務 福井氏


Tuesday, February 17, 2009

ワンガリ・マータイ

今回、彼女のリーダーシップ ケーススタディをまとめることにした。
何故、彼女に注目したのか。やはり彼女がアフリカ ケニア出身の女性であることが大きい。私は、アフリカときってもきれないのだと思う。

「モッタイナイで地球は緑になる」
ワンガリ・マータイ著 福岡伸一訳
木楽舎


「UNBOWED へこたれない ワンガイ・マータイ自伝」
ワンガリ・マータイ著 小池百合子訳
小学館


ワンガリ・マータイさんは、77年からグリーンベルト運動(GBM)を通じて、植林をすることによる持続可能な開発の推進に取り組んだ人物である。そして、アフリカ人女性とした初のノーベル平和賞を受賞した人である。アメリカ留学やその後の祖国ケニアでの大学教授としての生活の中で、人権問題やジェンダー問題など様々な問題に立ち向かってきた彼女の人生がこれらの本にまとめられている。

彼女の名前はずっと前から(おそらくノーベル平和賞を受賞した際)知っていたが、彼女がどのようなことを成し遂げたのかはよく知らなかった。この本を読み、幾度となく困難な状況に陥っても前向きにやっていく彼女の姿に感動を覚えた。いくつも頭に残った言葉がある。
「私はおのれの良心に従い、正しいことを行っていた」
(ワンガリ・マータイ著 福岡伸一訳, 『モッタイナイで地球は緑になる』(2005),木楽舎,P41,L10)
「問題を理解することと、その問題について何か行動を起こすのはまったく別のことだ。だが私の関心は常に、解決策を見つけることにあった。(略)できないことを心配するよりも、できることを考えるのだ。」
(ワンガリ・マータイ著 小池百合子訳, 『UNOWED(へこたれない』(2007),小学館,P201,L0)
その他様々な彼女の言葉からも、自分が励まされている思いがした。





彼女の素敵さを伝えるためにもう一つ。