リーダーシップのケーススタディである。
「問題解決型リーダーシップ」
佐久間 賢
講談社現代新書
マネジメントとリーダーシップの違い。海外と日本でのリーダーの違い。上司と部下の認識のギャップ。それらをアンケート結果やより具体的なケーススタディによって説明している。
この本では、リーダーを下記の2種類に分けている。部下の意見を尊重して意思決定し、新しい経営手法も積極的に導入して、部下も満足する問題解決を行う上司。独断専行し、時には「脅し」的指示も行って部下から嫌われ、両者の間には埋めがたい価値観のギャップある上司。この本では、前者を「ギャップ型リーダー」、後者を「問題解決型リーダー」を呼んでいる。そして、日本にはこの「ギャップ型リーダー」が多いと筆者はこの本でいっている。そして、意欲と問題認識さえあれば、問題解決型リーダーシップの修得は十分に可能であるとし、いくつかのケーススタディを用いてそのリーダーとしての要素を説明しているのである。
今まで読んだ関連の図書の中で一番読みやすく、リーダーシップの要素を理解できたように感じる。おそらく説明が的確で、あげられていたケーススタディが日常でもよくありそうなケースを用いており、想像がしやすかったからだと思われる。一つ例をあげるとすると、まずマネジメントとリーダーシップの違いについて下記のような非常に分かりやすい例を用いている。
違いを鉄道経営ににたとえると、リーダーシップは「原野に鉄道のレールを敷く役割」であり、マネジメントはそのレールの上を時間を守り安全に「列車を運行させる役割」であるという。他のどの本でも言われるように、メンバーの動機づけを行い、さらに強い指導力でもって目標を達成させる。マネジメントは組織を管理運営してビジネスを行うことである。
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