Saturday, January 24, 2009

Sueak

なんと、パーソナルコンピュータの父とも言われる「アラン・ケイ氏」の講演を聴く機会に恵まれた!!
とは言え、それまであまりアラン・ケイ氏を知らなかった私。。。すみません。※まだ知らない方、ここを見て下さい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B1%E3%82%A4

今では当たり前のように聞くオブジェクト指向。1970-80年代にその画期的な考えを提唱し、それに基づいてSmalltalk言語を開発された人である。今回の講演でも、IQよりもKnowledgeよりも大事なものは、Outlookであるとお話されていた。「Outlook give you point of view」
今あるものにこだわらず、色んなものを見て、考えて、先を見通す、見通そうという気持ちが大事なのだと思う。
ちなみに、アラン・ケイ氏はSqueakという言語も開発している。このソフトウエアでは誰でもプログラミングできるので、主に学校教育を対象にして研究が進められ活用されている。Squeakを使って先生が生徒用にメディアを創ったり、生徒がコンピュータ科学だけでなく数学や科学について学んだり。京都でも京都大学を共同でアランケイプロジェクトが発足され、京都内の学校にてSqueakを用いた教育が取り入れられている。
非常に視覚的に学ぶことができ、操作も分かりやすいので、今まで現存するソフトウエアはどうも苦手だという人も比較的やりやすいのかもしれない。途上国に行っていた際にこれを知っていれば活用したのに。きっと彼らはかなり興味を示したに違いない。

ちなみに、この講演の際に売られていた本を買ってしまった。
Powerful Ideas in the classroom
using Squeak to Enhance Math and Science Learing
B.J Allen-Conn & Kim Rose

でも、残念ながらAmazonでは売っていないらしい。関連する本を上げておきます。



Saturday, January 17, 2009

「みんなの意見」は案外正しい

学校のある先生が勧めていた本。
先生自身はこの本の内容に全て賛成ではないらしいが、ちょっと面白そうなので読んでみることにした。

「みんなの意見」は案外正しい
ジェームズ・スロウィッキー著 小高尚子訳
角川文庫


最近のグーグルのインターネット検索エンジンに代表されるように
非凡な一人より、平凡な集団の意見の方が賢いであることを様々な事例を基に
述べられている。いわゆる「集団の知恵(集合知)」である。

この本の第一部は面白かった。特に、スペースシャトル・コロンビア号の惨事の原因を約20分後には予測した株式市場(専門家が原因を追究し公開するまでには6ヶ月かかったが)。軍務から帰る最中で消息を絶ったアメリカ海軍の潜水艦スコーピオン号の位置の推測。(わずかな情報から様々な分野の人達の判断を集約して結論づけると200mの誤差しかなかった)
第二部はケーススタディで、「集団の知恵」を証明しているというよりは、「集団の知恵」をせずに失敗している事例もしくは「集団の知恵」をしてもうまくいかない事例をあげている。なかなかその面白味に欠けたがそれが現実なのだろう。(本書でもそのように述べている)

そう言えば、日本にも「三人寄れば文殊の知恵」といわれることわざもあったな。

Sunday, January 11, 2009

デセプション・ポイント

更に引き続きダン・ブラウンの小説。今度は、ラングドンシリーズではないがこれもある奇怪な事件へと引き込まれていく。

デセプション・ポイント
ダン・ブラウン著 越前敏弥訳
角川文庫


アメリカ国家偵察局(NPO)局員のレイチェルは、直々に大統領から呼び出され、NASAが大発見をしたので彼女の目で確かめて欲しいという。そして舞台は北極へ。氷棚に埋まった巨大な隕石から等脚類の化石が大量に発見され、これは地球以外にも生物が存在する証拠であり、まさに世紀の大発見となる。しかし、レイチェルは科学者チームと調査を進めるうちに驚くべき謀略の深みへとはまっていく、、、

アメリカの様々な機関が登場してくるのだが、私はなにより隕石・地球外生命に関する様々な見解を読めるのが楽しかった。そして、最後の展開がなかなか見えてこないところも、最後までドキドキ・ハラハラさせられた。常に誰か首謀者なのか考えながら読んでいくのはしんどかったが、面白いところでもあった。

天使と悪魔

ダン・ブラウンの小説にはまってしまった私。次に読んだ本がこれ。

天使と悪魔
ダン・ブラウン著 越前敏弥訳
角川文庫


ラングドンシリーズの2作目。
ハーバード大学教授(図像学者ラングドン)は、スイスの化学研究所長から電話を受け、十七世紀にガリレオが創設した科学者たちの秘密結社”イルミナティ”の伝説の紋章についての説明を求められる。そして、その紋章はある科学者の男の死体の胸に焼印として押されていたという。殺害された科学者の娘であるヴィットリアと共に、イルミナティの真の目的と今回の事件の首謀者を追っていく。

今回も事実を基に書かれている。秘密結社イルミナティに関する記述もである。その詳細な歴史的背景、事実が私を虜にして止まなかった。。。ホームズ、ポワロなど大好きであったが、このような小説もたまらない。新しい発見と興味がわく。宗教的な話で難しく感じる部分もあるが、このような解釈もあったと受け取るようにしている。そして、古人の偉大さを知るばかりである。

ダ・ヴィンチ・コード

仕事と学校が始まり、本を読むスピードが遅くなったので、以前に読んだ本で好きな本をあげてみる。

ダ・ヴィンチ・コード
ダン・ブラウン著 越前敏弥訳
角川文庫


物語は、ルーヴル美術館の館長が異様な死体で発見されたことより始まる。館長は、レオナルド・ダ・ヴィンチの最も有名な素描<ウィトルウィウス的人体図>を模した形で横たわっていたのだ。そこで、館長と会う約束をしていたハーバード大学教授ラングドンが、警察より操作協力を受け、館長の孫娘で暗号解読官であるソフィーと共にこの事件の謎を解いていく。

この小説が映画化されブームになっていた頃、私は日本に居なかった。しかし、日本にいる私の元会社の上司が送ってくれた。読み始めてすぐにその虜になった私。なんと2日間で読み上げた!!(通常の生活をしながら)
様々な歴史的美術作品や建築物、場所や象徴などに隠されたメッセージを読み解いていく様子に非常にひきつけられた。私は元々推理小説が好きな方なのだが、自分が知っている作品に対してこのような解釈もあったのかという新しい発見がいくつも出てきた。(著者は、実際この本を書くために調査を行い、残された文書にある事実に基づいてこの小説を書いている)
映画を後で観たが、時間が限定されているため、謎の解釈が飛ばされている箇所がいくつもあった。絶対、本で読むことをお勧めする。上・中・下巻をまとめ買いしていただきたい。

Thursday, January 1, 2009

「天才組織」をつくる

これも授業で読む必要が出てきた本。

「天才組織」をつくる グレート・グループを創造する15の原則
ウォーレン・ベニス、パトリシア・ウォード・ビーダーマン著
日本能率協会マネジメントセンター


この本は、「一人の天才にできることよりも天才たちの力を結集したグレート・グループが達成することの方が優れている」という考え方に基づいて、七つの事例を研究し、とりまとめられたものである。事例では、ディズニー、マッキントッシュ、クリントン選挙対策チームなどが取り上げられている。

様々な事例があげられているので、非常に興味深い。これらの事例を読んでいる中で、グレート・グループには、①若手 ②優秀な人材 ③協調性がある人達が集まっていること。そして、これらをまとめるリーダーは、情熱と信念でもってメンバーをまとめあげ、彼らの個々の能力を最大限に発揮させる。自らやるというよりは、彼らを後ろからバックアップするような存在であることが分かる。
ただ、一つ言えば、一つの事例の中でも様々な人間が出てきて、様々な出来事が起こっているため、少々話のすじを読み取るのが難しい。どんな偉業を成し遂げたのか、一体誰がグレート・リーダーなのかよく分からなくなる。
もう一度読んでみると変わるかもしれない。