Saturday, July 25, 2009

IT革命と商社の未来像-eマーケットプレースへの挑戦-

eマーケットプレイスについて調べている中で、この本を発見。ついつい読み入ってしまった一冊です。

IT革命と商社の未来像-eマーケットプレースへの挑戦-
中谷巌 著
東洋経済新報社


現在のIT、特にインターネットの普及に伴い、商社もまた変貌を見せている。
従来から「中抜き」の危機を何度も脱してきた商社。eマーケットプレースの登場により、またその危機が叫ばれている。商社はどうやってこれを乗り切ればよいのか。この危機をチャンスに変えるためにどうすればよいのか。商社のITへの取り組み事例をあげながら述べている。

私は、今まで商社がなぜ存在しているのか、その存在価値を考えたことがなかった。就職先としてやはり人気のある商社。なんで!?と常に感じてきたのが正直なところである。商社の持つ役割としては、物流、資金決済、情報収集、信用力が考えられる。私は、IT革命をしても補い切れない信用力の部分が商社の持つ強みではないかと思う。実際、大手商社がeマーケットプレースを立ち上げて失敗しているケースを見受けるが、それはただ単純に顧客志向の充分な戦略を練り切れてなかったからで、もっと強みを発揮できるチャンスは残っているのではないかと思う。
ちなみに、メーカー商社に勤務していた友達は、資金の回収力であるとゆっていた。特に、日本の企業が海外の企業と取引する際は、その力が大きく発揮されると。

私に、新たな視野を広げてくれた一冊だった。

Friday, July 17, 2009

IT立国エストニア

以前、何かの記事で見たことがある。名前もあまり聞いたことのないヨーロッパの小国がIT先進国の一つになっていると。最近、色々と調べてる中で、見つけた。これの国だ。「エストニア」興味が勝ってしまって、他にも読まないといけない本があるのに、ついつい読んでしまった(笑)

IT立国エストニア -バルトの新しい風-
前田陽二/内田道久 著
慧文社


北欧バルトの小国「エストニア」1991年に旧ソ連から再独立して以来、政策としてIT推進に力を入れ、ITの相互運用性、共通基盤の整備を進めてきた。現在、ほとんどの国民がエストニアIDカード(eIDカード)を所持し、世界に先駆けて国政選挙をインターネット投票で行うなどしている。

正直、驚いた。日本もIT先進国の一つと言われているが(特にインフラ基盤では)、エストニアではインフラ基盤だけでなく、その利活用が日本よりかなり進んでいるよに思う。特に電子政府がすばらしい。これは、何よりITを導入する当初からインフラと合わせて、その利活用できるシステムまでも考えて構築されていたからであろう。私は、基本的に政府はあまり当てにならないので、民間企業の力が大事だと考えていたが、ここまで政府が率先して推進するとこうまでにも違うものなんだなと感じられた。国民のほとんどがIDカードを持ち、それでもって行政の申請はすべて行えるし、公共施設や交通機関の利用も可能らしい。図書館などの公共施設で最初1時間は無料でインターネットが使えるので、幅広い年齢層の人たちがインターネットを利用している。政府と民間企業との間でもITを利活用されている(企業の行政的な手続きなど)。
この本からネットショッピングなどの利用者はまだ少ないように思うので、ビジネスとしてこれからまだまだIT分野で成長する可能性がある国だと思う。

Wednesday, July 15, 2009

「通信と放送の融合」のこれから

以前、講義の中で先生がすすめていた本。
一時的に少しだけ余裕ができ、図書館に行った際に目にとまったので読んでみることにした。

「通信と放送の融合」のこれから
中村伊知哉著
翔泳社


近年、日本のアニメやマンガ、ゲームなど大量のコンテンツが海外に紹介され、「ソフトパワー」としてポップカルチャーが急速に注目を集めている。21世紀に入ってからそのような流れを受け、さまざまな省庁がコンテンツ産業の振興・育成に力を入れ始めている。ところが、現在の社会システムではコンテンツに流通のインフラとなる放送や通信の権利が複雑に絡み合い、法律で守られているためオンラインでのスムーズな流通につなげることはできない。それを解消するために、「通信と放送の融合」を行う必要がある。本書では「通信と放送の融合」の状況をわかりやすく説明し、2011年地上デジタル放送網完成までの国会通貨を目指す「情報通信法」の全貌を紹介するとともに、日本発のコンテンツが勝ち抜くためには何が必要なのか、クリエイターを育成するためには何をすべきかなどコンテンツ産業の未来についても同時に考える。

全体的に、日本はe-Japan戦略の元インフラとしてはトップクラスになったが、ソフトやサービスは遅れをとった。コンテンツに関してもそう。しかし、日本のポップカルチャーをして、この技術をして更に踊りでることはできる。本の入りは非常に読みやすかった。筆者自身の身近な体験からデジタルへと以降していった歴史が、そして日本のポップカルチャーがどれだけ浸透しているかが述べられている。

個人的に面白かったのは、本書の意義から外れるかもしれないがイタリアで「風雲たけし城」が人気であったという事実。日本のカルチャーはどこでもなんだなと感じた。「おしん」もどこでも全世界で放映されているし、たしかにポケモンに代表されるようにアニメはかなり人気。これらか通信と融合すれば、きっとすごい市場になりえるのではないかと思われる。