実は私は大学院生なのだが、ある授業の中で「ブランド」について調べることになった。それを友人に話した際に貸してくれたのがこの一冊。
プレミアム戦略 遠藤功著 東洋経済新報社
プレミアムとは何か。なぜ「日本発のプレミアム」は育たないのか。戦略としてのプレミアム。そして、日本で戦略としてのプレミアムに挑戦した事例が非常に分かりやすく書かれている。
プレミアムとは、もともとラテン語から来ていると言われ、「第一番目の」「最もよい」との意味。ここから派生して「超過価値、割増金」といった「余分な価値」がプレミアムであるとこの本では書かれている。「余分な価値」には「機能的価値」と「情緒的価値」があるが、その両方を満たしているものが真のプレミアム。自動車産業で言えば、BMWやメルセデス・ベンツがあげられるという。残念ながら、日本の企業はここにあがらない。なぜか。文化的背景も含めいくつか理由は述べられていたが、日本における「欲望の質」が足りないとの意見であった。
様々な物が溢れるようになったこの日本。選択肢も多く、以前のように「安さ」だけで消費者は満足していないことは確かに言える。その中で作り手の主観=こだわりを何よりも大切にし、それに賛同する人達への販路を地道に広げていくことが大事という話に納得がいく。経済危機ではあるが、それでもまだゆとりのあるこの国でそのような戦略も一つなのであろう。もしくは、良い品を長く大切に使おうとする傾向にある(エコも関係しているのか!?)中でも有効なのではないだろうか。
事例も用いて非常に分かりやすく説明されているので、すんなりと頭に入っていく一冊でした。
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