沈まぬ太陽の完結篇。
沈まぬ太陽 -会長室編-
山崎豊子 著
新潮文庫
「空の安全」をないがしろにし、利潤追求を第一とした経営。御巣鷹山の墜落は、起こるべくして起きた事故だった。政府は組織の建て直しを図るべく、新会長に国見正之の就任を要請。恩地は新設された会長室の部長に抜擢される。会長室の調査により、次々と明るみに出る不正と乱脈。会長の国見と恩地はひるまず闘いを続けるが、政・官・財が癒着する利権の闇は、あまりに深く巧妙に張りめぐらされていた。不正疑惑は閣議決定により闇に葬られ、国見は突如更迭される。。。
大企業になるほど改革は難しい。企業は、決して一日で成り立ったものではなく、
長い時間かけて形成されたものである。その体制を崩すのは、並大抵のものではないだろう。当時、電電公社や国鉄など多くが民営化へと変わっていったのを覚えているが、その裏側にはどんな苦労があったものかと思う。ここで登場する国民航空もその一つであり、官僚、政治家とも深く関わっている為に様々な人の思惑が飛び交う。結局のところ、やはり一筋縄ではいかなかった。会長は更迭され、そして恩地も、、、しかし、そこには自分の意思を曲げない人達がいた。こんなに様々なことがあるにも関わらず会社から離れない人達。どれだけ愛社精神が強い人たちなんだろうか。私にはできないことであるし、今の人達にも愛社精神は薄れてきているのではないだろうか。何がそこまで思わせるのだろうか。
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