Monday, December 29, 2008

プレミアム戦略

実は私は大学院生なのだが、ある授業の中で「ブランド」について調べることになった。それを友人に話した際に貸してくれたのがこの一冊。

プレミアム戦略 遠藤功著 東洋経済新報社

プレミアムとは何か。なぜ「日本発のプレミアム」は育たないのか。戦略としてのプレミアム。そして、日本で戦略としてのプレミアムに挑戦した事例が非常に分かりやすく書かれている。
プレミアムとは、もともとラテン語から来ていると言われ、「第一番目の」「最もよい」との意味。ここから派生して「超過価値、割増金」といった「余分な価値」がプレミアムであるとこの本では書かれている。「余分な価値」には「機能的価値」と「情緒的価値」があるが、その両方を満たしているものが真のプレミアム。自動車産業で言えば、BMWやメルセデス・ベンツがあげられるという。残念ながら、日本の企業はここにあがらない。なぜか。文化的背景も含めいくつか理由は述べられていたが、日本における「欲望の質」が足りないとの意見であった。

様々な物が溢れるようになったこの日本。選択肢も多く、以前のように「安さ」だけで消費者は満足していないことは確かに言える。その中で作り手の主観=こだわりを何よりも大切にし、それに賛同する人達への販路を地道に広げていくことが大事という話に納得がいく。経済危機ではあるが、それでもまだゆとりのあるこの国でそのような戦略も一つなのであろう。もしくは、良い品を長く大切に使おうとする傾向にある(エコも関係しているのか!?)中でも有効なのではないだろうか。
事例も用いて非常に分かりやすく説明されているので、すんなりと頭に入っていく一冊でした。

Sunday, December 28, 2008

闇の子供たち

これは映画を知ってから読みたいと思った本。
元々途上国に対して非常に関心がある私。これは読まなければと思いました。

「闇の子供たち」梁石日著 幻冬舎文庫


貧困に喘ぐアジアの国、タイ。
貧しい村に生まれた幼い子供達は売られ、各国から来る富裕層の性的玩具となる。
幼児売春、臓器売春。冷淡な現実と人間の恐怖を描いている。

とにかく衝撃的な話でした。少々気持ち悪くなるくらい。
たとえ多少誇張して内容が書かれているやもしれませんが、やはり現実的に近いことは起こっていると私は思います。
私自身、途上国と言われる国で過ごした経験が少なからずあり、その日の食事にも困る人達を目の前にしてきました。日本に生まれた自分は、食べるものにも困らず、人生においても色んな選択肢を持っていた。しかし決してそう人ばかりではないということにショックを受け、なんとかしたいと思い、でも自分一人ではどうにもならなず。ジレンマを感じずにはいられません。
ただ、少なくとも事実を知ることは大切だと思います。そこから目を背けてはいけない気がします。この本を読んで更に強くその感じました。

西の魔女が死んだ

久しぶりに読んだ小説。
映画化され、ずっと観たいと思いつつもチャンスを逃してました。
そこでこの本を読むことに。

「西の魔女が死んだ」梨木香歩著 新潮文庫

主人公の少女まいが、西の魔女ことおばあちゃんと共にひと月あまりを過ごす。
おばあちゃんから受ける魔女修行。それは、「何でも自分で決める」ということ。

おばあちゃんがまいを受け止め、彼女が世間の中で強く生きていけるようそっと手助けする姿が印象的でした。決して感情的にならず常に冷静に物事を受け止め、考える。そして、自分でその先を決める。今の自分自身に必要なこと、自分がなりたい姿がそこにありました。人間完璧にはなれないけれど、努力すれば近くはなれる。今、自分が信じたいことです。

今度時間ができたら、映画も是非観てみようと思います。

はじめに

最近、自ら本を読みたくなったり、本を読む必要に迫られたり。
なかなか上手く時間が作れなくて進めないのだけれど、せっかく読んだ内容を忘れていくのが悲しいので、ブログにしてみることにしました。
読んだ本を随時紹介していこうと思います。よろしければ、お付き合い下さい。